2014年1月21日火曜日

青空文庫

山茶花真っ盛り ※クリックで拡大します
テレビで名前を聞いて久しぶりに魯迅を読んでみたくなったのだが本棚を探してみても見あたらない。どうやら前回の引っ越しの時に処分してしまったらしいのだが、いったん読みたくなると居てもたってもいられなくなってしまう我ながら困った性格(笑) しかし夜中で近所には開いてる本屋はないし... 、ということで思い出したのが青空文庫。早速、中学の教科書にも載っている短編「故郷」をiPhoneに落として読んでみたのだが、・・・うーん、何だかしっくりこないのだ。

 翻訳物は訳者によって印象は当然変わってくるから最初読んだ時の刷り込みの影響もあるだろうし、主人公の旧友・閏土の読みがルントウでなくジュンドと音読みになっているなっているのも気になるところ。だが、それ以上に1932年の井上紅梅氏の翻訳をボランティアの方が新仮名遣いに置き換えた文章には何となくちぐはぐな感じがあって“引っ掛かり”を感じてしまう。つまり読んでいてちっとも楽しくないのだ。

 文芸作品の場合、筋はともかく読んでいる時の“心地よさ”っていうのがキモになる訳で、やはり文庫本で売られているものはプロの翻訳家が訳しているだけあって日本語としては遥かにこなれている。無料である以上、文句をいうのは筋違い。でも、文庫本なり電子書籍なり、お金を払って買うものにはそれなりの価値があるんだと改めて納得してしまった次第。