2006年11月21日火曜日

関西~カンサイとカンセイ

『いうまでもないことだが、日本漢音には、呉音と漢音がある。最初、呉音が渡来した。たとえば「正月(しょうがつ)」という。これは呉音である(漢音なら、むろんセイゲツ)。元旦(がんたん)も呉音で、ゲンタンとはいわない(ただし元日(がんじつ)といったときは、呉と漢がまじっている)。

 「明(あ)けの明星(みょうじょう)」は呉音。大阪に明星(めいせい)高校というカトリックの学校があるが、メイセイは漢音である。明治のキリスト教は、呉音をきらった。理由は、呉音が主として仏教経典の音で「坊さんよみ」とも言われていたからである。このためキリスト教は徹底的に漢音を用いた。聖書は、呉音―坊さんよみ―なら聖書(しょうしょ)だが、むろんセイショ。「関西(かんさい)」の西(さい)は呉音である。大阪の私学の関西大学はむろん土地の慣習音どおりカンサイだが、キリスト教系の関西学院大学にかぎっては、呉音をきらい、カンセイという。』(以上、
司馬遼太郎 / 街道をゆく25「中国・ビンの道」より引用)

 う~む、勉強になります。呉音と漢音なんて小学校の国語の時間に習った記憶はあるけど今ではすっかり忘れてしまったもんな(笑) 今日はかなりの手抜き、というか、まあ久しぶりに深く納得できたことなので (^o^; でも、引用長すぎて著作権的には、ちとヤバイかも 。

・写真:大阪城公園 *クリックで拡大
 桜紅葉見ごろです(但し、撮影は昨年)